こんにちは、ダメサラリーマンです。
今日は皆さんに肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)という恐ろしい病についてご紹介します。
写真は楽クリニックさんのHPから拝借しました。
http://www.rakuc.com/index.htm
肛門周囲膿瘍とは文字通り肛門の周囲に膿瘍(膿を満たした空洞を形成した状態)ができることです。この記事ではこの病気が「どのような症状」で「どのようなことを病院でされたのか」などについて紹介します。
お尻に違和感を覚えつつもデリケートな部位ゆえに二の足を踏んでいる方への参考になればと思います。
出会い
私は昔から人前で喋ることが得意ではなく、また人前に肛門をさらけ出すことも同様に得意ではありません。
そんな私が肛門に違和感を覚えたのは約一年前のことです。
肛門の周囲が痛みを伴いながら腫れだしたのです。
当時私は肛門周囲膿瘍という病名さえもしらず、「ニキビかな?」と軽く考えていました。
重症になると高熱、全身倦怠をおこし体力の無い方においては敗血症をおこすことさえあるそうですが、幸い私は体力があったようで、腫れはシコリに変わり影を潜めました。
再開
そんな私が再び肛門を意識し始めたのはつい二週間ほど前。
肛門が腫れて、触ると痛い。「この感じ…またか。」
もしかして痔かな?なんて軽い気持ちで病院へ行くことにしました。
ちなみに私が行ったのは最寄りの総合病院でしたが、各自の症状をHP等で調べて痔瘻や肛門周囲膿瘍の可能性が高いと判断された場合は、評判のいい肛門科を受診されることを強くお勧めいたします。
そして自分の事を「痔瘻かな?肛門周囲膿瘍かな?」と思っている人へ私からのメッセージです。
100%痔瘻か肛門周囲膿瘍です。早く病院へ行くことをお勧めします。
診察
病院についた私は問診票に「肛門周囲にできもの(?)」と記入し、外科へと案内されました。
診察室に呼ばれたのが2時間後、先生はおらず看護婦さんから指示されたのはズボンとパンツを脱いでベッドで胎児のポーズをとることでした。
下半身裸で胎児のポーズで待ち続けること数分。
しばらくすると先生がやってきました。
先生は冷やし中華の上に座ってしまってズボンと白衣が汚れてしまったと看護婦さんに怒っていらっしゃいました。
先生は早速ゴム手袋をはめると「かんにんなーかんにんなー」と言いながら私の肛門の中に指を入れてきました。
先生は指をグリグリと肛門の中でかき回します。きっと患部を探しているのでしょう。
得も言われぬ感覚が体を襲います。
特殊な性癖が無い限り人に肛門の中をかき回されることなどないと思います。
最も有効な護身手段として「肛門に指を入れてかき回せ!!」というのを何かで読んだことがあります。どんな大男も力が出なくなるようです。
しかし肛門に指を入れないといけないってかなり難易度高い護身方法ですよね。
先生が触診しながら患部を探すんですが、患部を触られるとものすごい痛い。その度先生が「かんにんなーかんにんなー」っていいながらグリグリぐりぐり。
多分先生は指先の感覚ではなく僕の叫び声で患部を探していたように思います。
触診にて病気の具合がわかったのか、わかっていないのか結局私は詳しく調べるということでエコー室に送られることに。
エコー室
エコー室ではうつ伏せで寝かされました。
エコーというのは 反響 ・音波が壁・射面などで反射し返って来る現象で非破壊で中身を把握することができます。痔患者の患部の状態を把握するのに非常に有効だそうです。
私は肛門をむき出しの状態で探触子を持った看護婦さんのおもちゃにされました。
どこが患部なんですか?という看護婦さんの問いに「肛門の後ろ側です」って答えて困惑させてしました。
今思えば肛門に前も後ろもない。
この記事を読んでくれている方は是非「お腹側、背中側」という表現をしてください。
エコー検査は10分程度かかり無事完了しました。
エコーで塗られたジェルは「自分で拭いてください」とタオルを渡されました。
手術
エコー検査を受け取った先生の結論は「肛門周囲膿瘍間違い無し」
「すぐ切るのでそこに寝なさい」とのこと。
待ったなしの状態。私に拒否権はないようです。
後に調べてわかったんですが、肛門周囲膿瘍の場合は診断された際に切開手術することが多いみたいです。
なんでも手術しか治療方法が無く、時間とともに膿瘍はどんどん大きくなっていくからだと。
触診された際の胎児のポーズになり、看護婦数名に見守られ先生から麻酔をされる僕。
「かんにんなーかんにんなー」と言いながら僕のお尻を針が突き刺す。
これが無茶苦茶痛い。息が荒くなる。
「かんにんなーかんにんなー」
麻酔が効いたかを確認するため指でこねくりまわす先生。
これも無茶苦茶痛い。声にならない声が漏れる。
「かんにんなーかんにんなー」
麻酔が効いてきたころにメスを入れる先生。
これも滅茶苦茶痛い。ベットのパイプを握る拳に力が入る。
「かんにんなーかんにんなー」
お尻の穴の隣にもう一個穴をあけて膿を絞り出す先生。
これが死ぬほど痛い。暴れる僕の足を抑えて「危ない」と注意する看護婦。
「かんにんなーかんにんなー」
5分もかかっていないと思いますが僕はポロポロ涙を流していました。
お尻に空いた新しい肛門にタンポンを詰められガーゼとテーピングでぐるぐるに巻かれ明日も診せに来てねと言われ帰されました。
手術の流れとしてはおおむね下記のような感じ。
切って!出して!詰めて!
単純明快!
色々僕の都合も何もなしですべて進んでいきました。
次の日や、術後当日の予定なんかも聞かれることなく。
手術後当日は痛くて何もできませんでした。
受診を考えている人は何もない日を選んで病院に行ってください。
術後
私は先生から何も言われずに帰されましたが患者が気になることを
私が調べた結果と感じたこととで述べます。
・痛み
痛みは当日は痛いですが、次の日にはだいぶ楽になります。普通に歩いたり、座ったりできるかな。
・排便
私はテーピングぐるぐるだったのでそもそもテーピングを外さないと排便ができませんでしたが、排便はイキまずにできるならした方がいいです。
ただしそもそも肛門周囲膿瘍は大腸菌が起因している病気なので排便後は洗うか消毒をお勧めします。私は除菌テッシュを買いました。
あと水を大量に飲むように心がけた方がいいと思います。楽に排便できるようになるので。
・お酒
お酒はダメです。おそらく化膿止めや痛み止めをもらっていると思うので薬が効かなくなるのと、術後は血のめぐりがよくなるようなことは避けましょう。
・お風呂
湯船につかるのはダメですが、シャワーは浴びた方がいいでしょう。
不潔にする方がよくないようですのでシャワーは浴びることをお勧めします。
・あると便利なもの
生理用ナプキン・成人用おむつ
私の場合は膿を絞り出してもらったためあまり追加で出るようなことはありませんでしたが生理用ナプキンは活躍しました。
人によっては穴をあけてドレーンを入れたら自然排出の恰好を取る場合もあるようでその場合はおむつがあると便利だと思います。
最後に
最後に私から一言。
肛門周囲膿瘍はほっておくと痔瘻に発展します。
さらにほっておくと敗血病や癌に発展することもあるようです。
前述したように手術なしでは絶対に治りません。
私も痔瘻に発展しており、経過を観察しながら痔瘻の根治手術をしなければならないでしょう。
「僕、肛門を人に見せるの得意じゃないしなぁ」とか
「私、肛門を人に見せるなんて無理」なんて言っている人に言わせてもらおう。
日々増していく痛みと戦いながら生活するくらいなら
肛門見せる恥ずかしさや肛門を弄られる痛みくらい我慢しましょう。
痔の原因はストレスと食生活と言われています。ストレスを抱えながら生きていくのは痔を悪化させるばかりですよ。